普通はコピーですが、オリジナルを作る生徒がいます
プロを目指す人などは、やはりオリジナルの作品にこだわります。その出来はともかく、コピーを歌う人とオリジナルを歌う人では、出てくる問題に差があります。
オリジナルを作る人は、コピーをしなくなる傾向がある
全員がそうではないのですが、自分で曲を作り出すと、どうもそのクリエイティブな作業に喜びを覚えるようで、できあがったものをとても愛でます。そしてその曲をうまく歌いたいと練習します。これは別に問題ありません。しかしお手本がない状態で歌を歌うためには、「それまでにどれだけコピーしたか？」という量が問題になってきます。
オリジナルは、作曲者が歌えばそれが正解
オリジナルの楽曲は、根本的な音楽的要素をクリアしていれば、とりあえず歌としては成立しますが、問題はどのような雰囲気の曲にしたいか？ という方向性です。ここでコピーの量が関係してきます。きちんといろいろな歌手の歌い方や技術を知り、身に着けていなければ、いざオリジナルを歌う時に、「ここってどうやって歌えばいいんだろう？」ということになります。それでも歌ってしまえばこちらとしては「まあ、そう歌いたいならいいんじゃない」という心理が少なからず働きます。
一方でコピーをする人には陥りがちな問題があります。それは「まねっこ」になることです。いや、本当にモノマネ芸人並みにできれば問題ありません。というかそれは立派な才能だと思います。しかしながら、きちんと音を聞き分ける耳ができあがってない状態で、イメージのみでまねっこをすると、非常に残念な結果となります。特にB’zさんやラルクアンシエルさん、グレイさんなどは、まねっこすればするほど正しい発声からどんどん遠くなっていく傾向があるといえるでしょう。そして実はこの両者に共通する問題としては「自分の歌い方ってなに？」という課題です。
自分の声に向き合いましょう
最終的にどんな歌い方になるにせよ、まずは自分の声と向き合わなければなりません。きちんと練習すると、ほとんどの場合「これなら自信をもって歌える」という声ができます。コピーをする際は、「この声で、その曲を表現するにはどうすればいいか？」ということを考える必要があります。声が元ネタと違うのはどうしようもないので、歌い方も声にあわせた手法を探らなければいけません。この模索の先に、自分なりの歌い方が出来てくるのではないかと思います。オリジナルを作って歌うのはプロを目指すなら避けては通れません。そのためには「表現のサンプルが多ければ多いほど選択肢が増える」ということになるのではないでしょうか。つまり、両方ともやりましょうね、ということです。