キーってなに?

作曲の本を読んでいると、なぜか飛ばされる説明

 
まあナナメ読みになっているからかもしれませんが、「キーを決めると和音が決定する」という点が、どうも何かが抜けているようでしっくり来なかったのですが、ふとしたことで気づきました。
 

Dで始まる和音はなぜマイナーなのでしょうか?

 
キーとは、どの音を基準にして曲をつくるか? という最初の任意設定のことのようです。「どの音を基準にして」ですが、それはどこでもかまいません。「最初はG」「最初はD#」でも何でもよいのです。一番わかりやすいのは「最初はC」です。つまり「ド」。「ド」から始まって、ドレミファソラシドで一塊。この音のイメージが、どこからスタートしてもできるのです。
 
Dつまり「レ」から初めてもなんとなく「ドレミファソラシド」に聞こえるような音ができます。これがキーです。うん、これは分かった。このキーのなかでメロディを基本的に作っていくのね、これも了解。で、ぶつかっていたのが次の点です。
 
「キーが決まったら和音も決まる」。
 
キーが「ド」で、「ド」で始まる音の和音は「ドミソ」、「レ」で始まる時の和音は「レファラ」でマイナーになります。
 
「え? なんでメジャーじゃいけないの?」という疑問です。
 
で、最初はこれで頓挫。「別にいいや、知らなくても歌えるし」みたいな。しかしそうもいっていられない事態になってきたので、再度確認したところ、やはり同じところでぶつかります。
 
仕方なく、作曲をしている生徒に聞いたのですが、わかっているようで、いざ説明になると
「だってDmのコードですよね」ということになってしまうのです。
こんなやり取りの中でふと気がつきました。
「そうか、基本、キーで設定した音以外が使えない前提なんだ」と。これこそがほしい説明の一文です。
 

キー設定は使える音の限定。しかし実際には、それ以外も使えるので、話が複雑になる。

 
簡単に考えるとこうです。鍵盤で考えましょう。そしてキーはC、つまり「ド」。「ド」から始まる使える音は基本全部「白鍵」です。そして和音は1度3度5度。ですので、キーになる「ド」の和音は「ドレミ」でメジャーコード。
次の「レ」に対応する和音は「レファ#ラ」になるのですが、「ファ#」は黒鍵です。ですので使えない。なので半音下がって白鍵の「ファ」を使用して「レファラ」のマイナーコードになる、ということなのだと思います。
しかしメロディとして黒鍵を使用したいという時が出てきます。するとキーから外れる。そこでなんとか黒鍵の音を使用しようとして7thコードやadd9thなど、様々なコードが生まれてきたようです。そんなこんなで、コードを理解する際には、とにかく大原則を知って、そこから外れていく方がいろいろと理解が早いのではないかと思います。これはボイスとレーニング全般にも当てはまります。わからない人は、本当に些細なことで躓いてしまう、というのが今回の教訓です。