文章を書くことと、

音楽的なことを考えること

 

50本目。閑話休題

 
かなりのハイペースで頭の中のことをアウトプットしてきたのですが、これをやっているとなかなか実際の音に携わる気分になれません。
 

使う知識の引き出しが違う。

 
驚いたことにシャーロック・ホームズは、地球が太陽の周りを回っていることを知らなかった。私が教えてあげたところ、返答はこうだ。
「そうか、それでは急いでそれを忘れることにしよう」と。
 
シャーロック・ホームズのなんだったっけな? まあいいや、どれかの作品の序文を思い出しがてら書いたのですが、これは次の意味だそうです。
 
地球が太陽のまわりを公転していることは、探偵という仕事には関係がない。必要でない知識は覚えないようにする。人は何でもかんでも覚えようとするのでそれが整理されずにたまる。だから必要な時に必要な知識がすぐに出てこないのだ。
 
これは大事な発想だと思っています。つまり文章を書こうとする時、どうやら「書く」という仕事に対する知識が優先されて、ほかのことが出てきづらい。逆もまた然り。とにかくやる時は集中することが大事なのではないかと思います。
 

一方で全然違うジャンルとの結合は新たな発見を生む

 
オーナーちゃんは明らかに、ジャンク知識をこよなく愛するホームズ的には駄目な人間です。それでもたまり続けると面白いことが起こります。それが全然違うジャンルとの結合です。それが正しいかどうか分かりませんが、リズムと物理法則、ボクシングの身体的動きと発声の動き、音響設備・機器と身体的振動などに類似性を感じたりします。
すると音楽的アプローチでなかなかたどり着けなかったもの・説明しづらいものが理解しやすかったりします。また音が外れる原因や、高音が出ない理由を言語的な問題と心理的な問題からも見ることができます。これが面白い。ひたすらに音楽の世界だけで深化していくのも一つの手ですが、こんな風な別アプローチのほうが、私にはどうやら合っているようです。ちなみに生徒に大学の理系の研究者がいますが、こういう方には、私の理尽くめのやり方があっているようです。そしてこの方、別の教室に通っていたのですが、「レッスンの仕方の訳が分からない」と言ってやめちゃった方です。そんなことで、適材適所のやり方があるのだと思います。もちろん私のほうが完全にアウェー、亜流です。