練習方法 質か量か?それが問題だ

ボイストレーナー

練習もその目的を確認しながらやる必要がある

 
質か量か?と問われると、どちらも、というプラトン的な答えが正しいが、それでも一つ一つの練習方法にあった認識が必要でしょう。
 
 

質を求める。しかし量がなければ質は生まれない

 
と言われたのは、チェーン店を爆発的に拡大・出展していた時期のある社長の言葉です。当時社長秘書をしていて、出店候補地を見ていた時の会話と覚えていますが、そのまま発声の研究に応用しております。
 
さて質を求める、ということはどういうことかというと、形態としては「1曲を徹底的に歌い上げる」という方法があります。この場合、曲に対する理解、細かい歌いまわしの発見、完全なピッチの追及、タイミングの理解など、厳密さを求める努力が必要になります。
 
一方で量を求める、というものはどういうことかというと、単純に「たくさんの歌を歌う」ということです。特に様々なジャンルを歌うことによって、そのジャンル特有の歌いまわしや、リズム感をざっくりと体得できます。一方で、細かいところまで煮詰めることができず、1曲ごとの完成度はやはり低くなります。
 
 

目的に応じて、やり方を決めましょう

 
問題点の切り口はいくらでもありますが、まずは共通要素、と個別要素に分けてみましょう。共通要素はピッチ、リズム・活舌・発声などで、どの曲を歌うにも必ず欠かせないものです。これにはたぶん量が必要です。体に刻み込む、という点に関してはスポーツと一緒ですので、何も考えずにできるようになるまでやらなければいけません。
 
個別要素とは、曲固有のタイミングや歌いまわしなどですね。当然、類似の曲に対して応用が利くものですが、すべての曲に対応できるわけではありません。「細かい技として質を高める必要がある」ということです。
そのため、「理解して実践できる」というものが最終目的に対しては、個人差がかなりあります。すぐできる人もいるし、できない人もいるますので、一概に量をこなせばよいというものでもないと思います。
 
 

結局ある程度時間はかかる

 
質を求める際には、より目標を高く掲げないとあまり成果が上がりません。「原曲よりうまく歌う!」くらいの気概でやってみるのが本来よいと思うのですが、すると「いつまでたっても目標を達成できない」という気が沈む結果になりやすくなります。
逆に「たくさん歌うだけで何も発見しない」これではまったく無駄な努力です。発見するまでいろいろ歌うとなるとやっぱり時間がかなりとられることになります。
 
そんなわけで、歌がうまくなるためにはやはりある程度、練習を積まないとならない、そして、何よりも、「何を身に着けたいか?」を考えながら量をこなすことが、習得までの最短ルートなのかもしれません。