腹式呼吸は万能か?!

ボイストレーナー

歌のダメさをすべて腹式呼吸の せいにする評論家はありか?なしか?

 
 

ボイストレーニングを続けてはや10年数年、 オーナーちゃん達の生徒は、いろいろな体験をしています。

 
生徒の中には勇気をもってコンテストに出たりする人もいます。すると審査員の方に「高い声が出ないね、腹式呼吸がなっていない」とか、「表現がいまいちですね、腹式呼吸をしましょう」とか言われて凹んで帰ってきます。新聞やネットの情報を見ていても、声の薄さや「うまい・へた」の原因を、簡単に腹式呼吸に起因させることが多いようです。で、それって、本当か?を考えてみたいと思います。
 
 

腹式呼吸は所詮呼吸法。歌の良し悪しには2次的にしか作用しない

 
車を運転する皆さんはガソリンを入れますね。それはガソリンを入れないと車が動かないからです。あたりまえ、ですがここで言いたいのは、「ガソリンを入れただけ」で車は動くのでしょうか?ということです。当然ですが動きません。なぜなら鍵を入れてまわして、セルモータを動かして点火し、エンジンを稼動状態にして、ギアを前進にいれて、さらにアクセルを踏まないと前に進みません。
これは「声を出す」という作業と結構、似ています。つまり腹式呼吸とは、「ガソリンを入れる」という作業のみを表現しているにすぎないのだということです。
ここで腹式呼吸の内容を説明すべきだと思いますが、また別の機会に。それよりも、腹式呼吸が「ガソリンを入れる」という作業であれば、すべてを腹式呼吸に起因させる人にとっては、「腹式呼吸ができればよい歌い手」という判断があり、それは「取り込む空気が多ければよい歌い手」ということを意味することだと思います。次はこれが本当か?を考えたいと思います。
 
 

取り込む空気がそれほど多くなくてもきちんと歌える人はいる。 また腹式が出来なくても歌える人がいる。

 
現実的な話をしましょう。腹式で取り込む量が多いほうが良いのであれば、一般的に女性よりも男性のほうが排気量は大きいと言えます。しかし、女性でもパワフルな声の方はいますし、ごっついムキムキの男性でも声がうまく出ない人はいます。要は、空気を取り込んだときの体の状態と、取り込んだ呼吸を「どう使うか」という問題です。時代はエコです。華奢な娘さんの少ない排気量でも、声として空気振動を「効率よく」使うことで、いい声や大きな声を出すことが出来るのです。逆に若い男性などはせっかく大量に取り込んだ空気をリッター3kmぐらいの極めて燃費の悪い使い方をしてしまうことが多いのです。また稀ですが、腹式呼吸ができてなくても文句無く上手な人もいました。。こういう場合、一応は教えますが、「別に無理しなくていいから」という傍からみるとなんとも適当なことを言います。要は息を上手に使えればいいのですから、初めから上手な人は無理することはないのです
これらのことから次のことが言えます。
 
「なんでもかんでも腹式呼吸のせいにする評論家・先生は、信用してはならない」(・・・・自己体験談とはいえ言い切ってしまった・・・・・)
6nbsp;
そこまでわかれば、「腹式呼吸をすることで、体の動きの何をうまく使っているのか?」という点と、「どうすれば効率よく取り込んだ空気を使うのか?」という点を知りたくなるとなると思いますが、それは……。がんばって研究してみてください。

ではでは