業界用語には意味がある
使いはじめを知っているギタロー氏。誤用にお怒りです。
形式だけが一人歩きをし、本質が置き去りにされることがよくある。そんなお話です。
クライアントとミュージシャンの関係から発生した簡易暗号
これはあくまでA.H.氏が感じていることの回想からのお話ですので、きちんと調べたわけではないということをご了承いただきたいと思います。
30年前は、ミュージシャンやタレントなどは自分で出演交渉やギャラのやり取りをする必要が多かったようです。ステージのあるお店で、「じゃ出演料は○○円で」みたいな話をしなければならなかったのです。その出演料が高いか安いかは別問題として、まわりの人に「あー、いくらもらえるんだ」ということが分かってしまうのはデリカシーとしてどうなん? という問題が発生します。そこで生々しい金額の話を避けるため、言葉をひっくり返したり音楽用語を混ぜてぼかすという習慣が発生していったようです。つまり、気遣いの結果というのが一要因です。
ミュージシャンだって人間だもの。でも立場上ばれると、まずい。
華やかな場所での仕事が多いのは避けられない。そうするとやっぱり華やかな人たちも集まるわけです。特にミュージシャンは男性が多かったと思いますので、その興味は華やかな「女性」に向かってしまうのは、いかんともし難いことなのではないではないかと思います。「お? いい女じゃね?」みたいな会話はどうしても発生する。しかしここは職場。しかも相手はある意味お客様。露骨な下心は、今後の営業上どーしても、まずい。ということで湧き上がるリビドーを上手に発散させる手段として、暗号化が必要だったのです。このような奥ゆかしさ? が、業界用語発生の第二要因です。
本質と形式が分離し、逆転現象をおこす。
本来「周りに不快感を与えない」ということが主な目的で発生した文化だったはずなのに、「普通の人とは違うぜ、ふふん」という優越感を持つための手段となりはてた業界用語。これはいたし方のないことなのだと思います。ミュージシャン・タレントさんなどに対する普通の人のイメージは、本来の仕事の大変さを知らずに華やかな部分にだけ注目が集まってしまいます。まあ、そう仕向けるのもひとつの仕事ですからしかたありません。そんなことで、「業界用語=華やかな人たちの特別な言語」というふうになりますからね。しかしそうなってしまったからこそ、本質を知っておく必要があるのではないかと思います。使うときは気をつけてみましょう。

