始める時期によっていいこと、悪いことがある。
前にアルバイトに教わって、27歳にしてまともにアコースティックギターを始めた話を書きました。しかしこの時点では、すべて指弾き。ピックというものを持ったことがほとんどありません。さて、今回は、ここまでまったく触れようとしなかったエレキギター及びピックにどのように触れていったのかを書きたいと思います。
必要は全ての原動力である。
事の始めは生徒さんの要望です。カラオケにない曲を歌いたい、という要望が発生しました。さて?どうしよう……、と考えましたが、結論はひとつ、作るしかない。とはいってもDTMはPCにインストールしてあっても、「MIDIって何?」というレベルの完全初心者です。だって歌と関係ないし。曲作る必要性もパッションもないし。そうだ! オリジナルを作っている生徒のD.W.さんに丸投げしよう! そうしよう!! ということになりました。そして1週間「できた?」と聴いたところ、「何とかしようとしたのですが……」といやな予感がする返事。そもそもオリジナルを作っていると言っても、ジャンルが全然違います。今回の依頼はSHOW-YAのバリバリロック調。一方、D.W.さんの方向性はさわやかなポップス調でしたので、なんとも力のないふわふわの出来になっていました。あかん……、自分で作らなけりゃ駄目だぁ。ということで、齢40にして始めて楽曲アレンジへの挑戦が始まったのです。
とにかく原曲を聴いて、分解して、一つ一つ音を作っていきます。バンドサウンドで変に作った音が入っていなかったのが不幸中の幸いです。ドラム、ベースと何とか聞き分けて積み上げていきます。ここで大きな壁に当たります。それは「エレキギターの音」。どうにもDTMの中に入っているMIDI音源では、まったく雰囲気が出ません。しょっぱい……。いろいろ何とかしようとしましたがどうにもできず。最終的には、ギターをずーっとやっている人に「お願い!!弾いてくださいませ!!」と泣きつき、ようやく完成。ここで思ったわけです。「あ、エレキギター、弾けないと駄目なのね……」。
年取ってから始めると、ひとついいことがある。
という訳わけで、40歳で意を決してピックを持ちました。ギターは知り合いがくれたフェンダーのギターを使用。ここで問題がまた生じました。「さて、どうやって練習しようか」。どうせ弾くなら楽しい曲がいい、そしてそれほど長いものではないほうがいい。そんなことで選んだのが今堀恒雄さんの『H.T.』。今思うと、「いきなりかよ!」という曲ですが、早速耳コピ開始。しかし! 「これ?どうやって弾いてるの」がどうしてもわからない点が何カ所も。まずギリギリまで自分で考えて、やってみましたが1カ月ぐらいでギブアップしました。
やれるだけやってわからなかったので、今度は人に聞きまくり。この年齢になると「ギターやってます」という知人は、だいたい20年ぐらいきちっと弾き続けている方が多いのです。その中から「お願い!」と二人ばかりに聞き倒しました。いやー教え方、分かりやすいわ。練習方法、効果あるわ。これは遅く始めたメリットと言えるでしょう、他力本願ではありますが。そんなこんなで何とか弾き方は全部解明したので、後はひたすら練習です。そんなこんなで3ヶ月で何とか聴けるようになりました。(でもその時点で弾けるのは1曲だけです)。
その後も弾く機会があったので、現在に至るまで弾き続けているのですが、しばらくするとその二人からこっそりとプレッシャーがかかります。それは「ギター、買いませんか?」というお勧めです。確かに一人は楽器屋関連の人。でも善意で言ってくれていました。そのこの二人の言い分は奇しくも一致。「ぜひ、いいギターで演奏してください」というもの。どうやら、いいギターだと音が違うらしい。この時点ではギターの音の差などちんぷんかんぷん。「え?安いのじゃ駄目?」と初心者の私。「いえ、是非、いいギターで」と二人とも。仕方が無いので、最低限、といわれた10万円のレスポールを買いました。
これが、年齢を重ねてから始めると抜け出せにくいデメリット、いきなり楽器に金がかかる、という点です。まあ、頑張って金を出したんだから、弾き続けないと損した気分になる、というメリットもありますが。そしてもう一つ、決定的なデメリットは、早くから始めた人と比べて、絶対的な練習時間の不足は補えないということです。早い時期に「やろう!」と思った方は、そのきっかけを大事にして、とりあえず始めるほうが良い判断だと思うわけです。

