録音物として歌を人に聞いてもらう場合、

ただうまく歌ってもしっくり来ない。

 

歌がうまくても、ただ録音するだけではCDのようには聞こえない。

 
録音物として歌を歌い、成果を聞いてもらうとすると、別次元での問題が生じます。それは録音技術、および音の編集技術。これは歌の技術とは全く別物ですが、残念ながら最低限必要になるものです。
 

一人ぼっちで歌っている場合、カラオケ音源との調和が大事

 
録音物を作る際、バンドでそれぞれのパートが演奏してくれる場合、及びDTMで自分でそれぞれの楽器を作成している場合を除くと、ほとんどの場合歌いたい曲のカラオケ音源を何らかの方法で入手し、一緒に歌う、ということになります。ここで問題になるのは、「どのように録音するか?」という点になりますが、ここではパソコンに、別トラックで取り込む方法で考えていきたいと思います。普通に声を録音して、カラオケと同時に再生すると、自分の歌だけなんだか浮いて聞こえるのが普通です。これを「何とか調和させていく」という過程が必要になります。
 

そもそも録音物には必ず聴きやすくなるよう加工がしてある

 
さてパソコンの普及と高性能化で普通の人でもかなりのレベルで音作りができるようになりました。その段階としては、楽器や歌のそれぞれの位置や音量、音質等々のバランスをとる「2ミックス」と呼ばれるものと、その後に全体に対してM/S処理や他の曲とのバランスをとったりする「マスタリング」と呼ばれる段階があります。このようにかなりの処理を施さないと、なかなかCDみたいにはなりません。必然、録音した自分の歌声に何らかの処理をしないといけないということになります。
 

ざっくりと必要な加工は3つ

 
この加工の仕方をある程度知らないと、自分の録音物に不満が残ります。そして

  1. 自分の歌自体が悪いのか?
  2. 音の処理が悪いのか?

という疑念が常につきまといます。そこで、まず最低限必要なエフェクトをかけて、これで駄目なら歌い方が悪い、という判断をしましょう。それは

  1. コンプレッサー
  2. リバーブ等の空間系
  3. イコライザーです。

3のイコライザーですが、2種類あり、つまみがたくさん並んでいるグラフィックイコライザーと、処理する周波数帯を細部まで設定できるパラメトリックイコライザーがあります。これらを使ってバックのカラオケと自分の歌を一体感があるように加工していきます。使い方はそれぞれ自分で調べてみてください。
 

きちんと歌えていないと、きちんと加工できない。

 
完全に経験則ですが、きちんと声を出せないとどんなに頑張って処理してもイマイチ感が残ってしまいます。あくまで楽曲と声をなじませることが目的で、「上手に聞こえるようにする」という目的はまずは置いておいたほうが良いでしょう。また高度なエフェクトの中には、外れた歌声を修正したり、ずれたリズムを直したりできるものがありますが、頑張って使用しないようにしましょう。それが音感を鍛える近道です。