ようやく決着。悪夢の機械トラブル

「USB3.0の呪い」編

 

機械トラブルにともなう精神状態は、かなり深刻

 
仕事上、声をPCで録音することが必須になっています。機械トラブルでこれができなくなると、とっても精神を圧迫します。
 

PCとDAWソフト、そして周辺機器の相性は予測できない。

 
「歌がうまくなるためには、録音して聞かなければならない」と、かなり早めに気がついていたので、お教室を始めた後、早いうちからこの環境を整えるようにしました。当時ではかなりお高いスペックのPCとDAWソフトを頑張って購入して、使い倒しています。PCのスペックは、当時出始めのwindows7を入れて、メモリーも16GBと余裕を持っていたのでまだまだ対応できるのですが、さすがにソフトが時代遅れになっていきます。そして周辺機器は壊れるんですね。仕方なく新しいものに交換したら、今度は「音が出ない・録音できない」というトラブルが続発します。仕事上、生徒さんの声も録音しているので、これができないとかなり困ります。このトラブル対応は、最優先事項として脳の処理を振り分けなければなりません。
 

そもそも他のPCでは音が出た。

 
たとえばこんな具合です。別に保有しているPCとの組み合わせでは使用可能だった実績を持つオーディオ・インターフェイスを、使っていた古いものが壊れたので、新たに購入しました。「大丈夫だろう」というかなりの安心感をもって接続したのですが、これまたびっくり、音が出ない。いや、普通の音の再生はできます。「チャラララーン」という立ち上がり音もします。しかし、DAWソフトを立ち上げて、録音・再生をしようとすると音がさっぱり鳴りません。困った。これで5日間ばかり頭を悩ませました。
 

ASIOってなに?

 
DAWソフトでもっとも恐ろしいのが「レイテンシー」です。レイテンシーとは、流れているオケに合わせて気持ちよく歌ったのに、再生するとどんどん歌だけ遅れていく現象が起こる、つまり電気信号が伝わる速度が遅れていく、なんとも気持ちの悪い現象です。これが起こりにくいドライバ(音を処理する装置みたいなもの)としてASIOドライバというものがあります。オーナーちゃんのソフトにも対応しており、古いインターフェイスでもきちんと対応していました。そして他のPCでも新しいインターフェイスは対応していました。ところが入れ替えたとたん、これに対応しなくなってしまったのです。ここで焦りとともに、原因の推測のために脳がフル稼働することとなります。
 

どう予測していくのか?

 
ここでどのような順番で予測をしていくのか? を列記します。

  1. 新しいインターフェイスのドライバが古い
    →ネットで確認。古ければダウンロードして再インストール。効果なし。
  2. 「AISOドライバがない」と表示されるので、ASIOに対応していないものでも対応できるフリーソフトを探す。
    →「ASIO4ALL」というドライバあり。インストールしてみたところ録音・再生は
    出来るようになったが、レイテンシーが発生。解決できず。
  3. ドライバの設定でレイテンシー対策をする。
    →バッファというものを変化させると反応速度が上がるので、試しまくり。
    しかし依然として抜本的なレイテンシーが解決せず。
  4. 他のドライバ、ソフトと競合している可能性。
    →「ASIO4ALL」を含め、いったんすべてのサウンドデバイスを消去。改めて
    新インターフェイスのドライバをインストール。おまけに不必要と思われる
    プログラムファイルを片っ端から削除。効果なし。
  5. DAWソフトそのものの不具合発生の可能性。
    →2度にわたり、DAWソフトを完全削除して後、再インストール。効果なし。
  6. windows7そのものシステムに不具合発生の可能性。
    →スタンドアローンのPCであったため、ネット接続し、windows updateで更新
    プログラムを再確認、及びインストール。効果なし。
  7. 新しいインターフェイスそのものの故障の可能性。
    →他のPCで使っていた同じ機体を、代わりに接続。やはり同じようにASIO
    ドライバなしの表示が発生。
  8. windows7そのものシステムに不具合発生の可能性2
    →システムチェックを走らせたが解消せず。

 
ここまでで4日間。とりあえず普通にCDは再生できる状態だったので、最低限レッスンには支障が出ない状態を保ちつつ、試行錯誤を繰り返すも、原因不明。ここまでくると考えられるのは、
 

  1. windows7のシステムそのものの再インストール。
  2. 使っているDAWソフトをあきらめ、別の種類に移行する。
  3. 別のインターフェイスを再度購入する。

 
というところまで追い詰められました。
この原因究明作業をしていると本当に脳みそが疲れます。文章を書くこと、歌を歌うことなど別のことへの振り分けができず、気持ちが落ち着きません。最後の対応策としてあげたものの、1は、かなり時間がかかります。さらには今まで使ってきたデータ等々を別ハードディスクなどに逃がす手間も発生します。2、3は金がかかります。2は今までの使い勝手をすべて投げ捨てて、全面移行しなければなりません。そしてこのDAWソフトはすでに生産中止。サポートがきちんと動いているかどうかすら不明です。さてどうする?という不安を抱えて月曜日になります。
 

物理的な原因があるなら、お願い、どっかに書いておいて

 
藁にもすがる思いで、サポートの電話番号を調べ、連絡してみます。やはりサポートは終っていましたが、トラブル対応ということで、ていねいに対応していただけました。オペレーターとの話の中で、症状を説明したところ、システム的な対応はやはりほとんど試し終わっていたようです。そして最後に聞かれたのが、
「そのPCはUSB2.0とUSB3.0の端子が混在するタイプでしょうか?」です。
そこで思い出しました。
「そうだった!」と。
説明を聞くと、オーディオインターフェイスは、USB3.0ではきちんと動かないものがけっこうあるそうです。そこで再度ドライバを消去した後、念のため、コードを新品に交換し、間違いなくUSB2.0のポートに差込み再インストール。
「お願い!」
と思いながらDAWソフトを立ち上げて録音再生してみると、なんと!! 問題なく動くではないですか! 
「ひゃっほーーーい!!!」
という思いとともに、頭が晴れやかになり、精神的重圧からようやく解放されました。ということで全然音楽と関係がないような話ですが、DAWソフトを使って音楽をやるということは、こういうトラブルが付きまとうということをお伝えしたかった次第です。