正しい声の”音”としての出し方

まずは声の本質的な成分を作る声帯を考える

声帯の位置、及び形状、動き方は、現在では少し調べればすぐに分かります。一方で常に歌唱を目指す人間にとって混乱を生じる表現があります。それは

「声は声帯で出来ます」

という説明文です。この説明文を頑張って理解すると、首の声帯のあるところで頑張って言葉を作ろうとするのが、上手くいかず、一方で世間的にはヘッドボイスみたいな表現で

「声は頭に響かせて作る」

という、文章上真っ向から矛盾するものとの狭間で大混乱に陥ることが多いのではないでしょうか。そこで大前提として理解しなければいけないのは、

「声帯は、”音”は作れるが、”言語”は作れない」

という前提です。そしてここでは声の”音”の部分のみについて考えていきます。
さて、声の”音”をつかさどる声帯は基本無意識に動きます。そしてその特徴は、

声帯は、基本的には「開いている状態=息が通る状態」がデフォルトである

ということです。つまり、喋っているとき、例えば「こんにちは」と言う時、声帯はそれぞれの声を出す瞬間だけ閉じて、瞬時に開こうとします。すると「こんにちは」といった時、声帯は「こ・ん・に・ち・は」の5回開閉することとなります。
なぜこのような動きをするのかと考えると、推測だが、生命維持を考えたときに「呼吸をする」ということと「声を出す」ということの二つを比べたときにどちらが重要か?と考えると、当然「呼吸の確保」が優先されるからと思います。
すると、通常の声の出し方で歌おうとすると、言葉の数だけ声帯が開閉することになります。これでは声帯が疲れて当たり前です。

一方で、では歌を歌うときはどうすればいいのか?ということを全項目の条件を考えますと、次の結論がでます。

声帯を言葉の数だけ動かすと疲れるのなら、声帯の動きを減らせばよい

閉じた声帯に息が通れば”音”が鳴ります。声を出そうとする瞬間にそのつど声帯が閉まるのならば、声帯を閉じっぱなししておけば、息を通すだけで声帯で音が鳴るということになります。

そうは言っても声帯が声を出す瞬間だけ閉じて、すぐに開くのは本能。「声帯よ、閉じろ!」と思ったところで本能には逆らえません。
そこで、筋肉的・肉体的に「強制的に」声帯を閉め続ける必要が生じます。
 
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歌唱に適した言葉の作り方

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