さんがいますね。
歌のお教室にはいろいろな年齢、立場の方がいらっしゃいます。その中で少しお歳を召した主婦層の方々はいろいろと面白いです。
「ほーんと、やんなっちゃうんですよ!」
だいたいこの台詞から始まるレッスンが多いですね。何人かいらっしゃいますが、レッスン最初の発声練習を終えて、「さあ、始めましょうか!」となった時に話が始まります。
だいたいは仕事の愚痴。次に旦那の愚痴。後は娘・息子・孫の話。こんなことでだいたい30分間を費やします。
いいんですよー、別に。楽しんでいただいて、ストレス発散してもらえれば十分です。当然歌のレッスンもしますが、無理やりやっても楽しくありませんよね。この辺がスクールと違って柔軟性が求められるところです。オーナーちゃんも50がらみですから、話を合わせるのは得意です。「えー、そうなんですか! すっごいですねー」みたいな話はけっこう大事です。あと「歌ったこと自体ない」という人もこの世代はけっこう多いです。「カラオケすら行ったことがない」という方も稀ではありません。
で、「なんとか1曲でも歌いたい」という流れなんですが、基本、目標が控えめなので、進歩の度合いものんびりです。ですので、最初から飛ばして教える必要もありません。押し付けなど、かえってやる気をそぐのではないでしょうか。
こんな感じでスタートはのんびりですが、少しずつ歌えるようになると、俄然やる気が出てくるのも、この年代の特徴的な傾向だと思います。毎週友達とカラオケに行くようになったり、スナックで堂々と人前で歌うようになったりと、人生が楽しそうになっていきます。
これでよい。
これでこそ歌のお教室です。
いままで知らなかった楽しみを知り、どんどんと新しい世界へと向かっていく。このための時間なのです。そしてそのために必要なのだとしたら、「愚痴の吐き出し」につきあうことなど些細なことでしょう。これからもがんばるぞ!っと。