A.「しない。別に言いたいことなんて、ない」
たまにされる質問です。
アレンジを受け持っていたので、そこそこたぶん曲は作れます。しかし、ちっともやる気がでません。なぜでしょうね?
「オリジナル曲をつくる」というモティベーション
何人かオリジナルを作っている人たちに会ってきましたが、感想は「まあ、なんて積極的でエネルギッシュなんでしょう」です。こういった方々にはそもそも「オリジナル曲を作る目的」というものがあります。若い人たちは、「できれば売れたい」「自分の曲を認めてもらいたい」というものがあると思うのですが、その先に
「自分の感覚・感性・主張を世の中に認めてもらいたい」
という「アイデンティティの投げかけ」みたいな欲求が含まれているのではないかと思います。これは歌詞に顕著に出ると思います。自分の恋愛感や考えをふんだんに盛り込んだり、特殊な言葉遣いで「人とは違うぜ」感を出したりする人もいますね。その是非はおいておいて、己を世の中に問う。その姿勢は、なんだか力強いものを感じてしまいます。
一方でだいぶ感性が枯れちゃったオーナーちゃんはどうでしょうね。自己分析です。まず「世の中にわかってもらいたい!」なんていう衝動、ゼロ。「いいよ別に、わからなくても。迷惑はかけませんから」、ボッチ上等!! という生き様ですので積極的に「ねえ、聞いて聞いて!」という感覚は昔から持ち合わせていません。そもそも歌の歌詞なんて基本的に、時代や人間としての「共通認識」に働きかけるものだと思っていますが、オーナーちゃんはそれがごっそり欠落している気がします。
流行の服を着るなど反吐が出る行為。誰も彼もが同じで安心という精神構造なんて理解不能です。こんな人間が、世の中にうける曲を作れるわけがありません。また何かを表現したい場合、すでに誰かが言ってくれているので、「ちょいと拝借」で十分こと足ります。まあ、ある意味この世をすねた感覚を曲にすることはできますね。
でもね、だーれも聞かないでしょう? そんな曲。
うさんくさい曲カテゴリーになるのがオチです。そんなわけで、無駄なことはしないという判断が精神的に働くのでしょう。そんな訳で、ちっとも作曲する気になれないわけでございます。