って何万回歌ったんだろう……
生徒に「歌ってみ^^」といわれて、オーナーちゃん、頑張った。
結局、練習時間は、軽く500時間は越えただろう
『only my railgun』という曲をご存知だろうか? 当時生徒に「歌ってみ^^」と言われて、聴いたところ「こんな高音の曲、男が歌えるか!!!」と一蹴したい気分になった。でも「ネット上に数名、ちゃんと男で歌える人いるのね」ということで頑張ってみた。
絶対的なピッチの高さではない難しさ
絶対的なピッチの高さなら、ボカロの中にゴロゴロあります。しかしそちらのほうがまだ歌いやすいです。この曲の難しさ、というか面倒くささはメロディの上下とそこに当てはめられる「日本語」のマッチングだと思います。とにかく歌いづらい。特に「ざ」という言葉でいきなりhighEなるところとか、妙に高いところで16分音符の連続とか、上げればきりがありません。とにかく研究が進んでいない時期だったので、もう大変でした。逆に言うと、この楽曲のおかげで「ピッチの確保と言語生成の両立」というテーマが明確になったとも言えます。それでもこの曲の練習は苛烈を極めました。掲題のワンフレーズを安定して出せるようにするため、「2時間これだけ」とか、チャンレンジすれども高音でのロングトーンが全然美しくないとか、何を言っているのか聞き取れないとか、問題点を挙げれば、枚挙にいとまがありません。休みの日に連続13時間歌っていた記憶があります。
テーマを決めてできるまでやる、という練習は、いろいろと得るものがある。
クリアできない壁にぶち当たった時は、とにかく考えなければいけないのは問題を分解して段階を設定し、しらみつぶしにしていくことが大切だと思います。この曲の場合、まず、
- 出ない音をとりあえず何とかして出す。
- とりあえず出た音の中で何とか言語化する。
- 言語化にどうしても無理が生じるのなら、まったく別のアプローチで言語化の方法を模索する。
- 言語を明確にした後、それを損なわず声のトーンをよりイメージ通りに作れるかどうかを模索する。
- 歌いまわしをコントロールできるように余裕を作る。
- 息切れをせずに効率よく歌う。
といった感じです。半年ぐらいはこればっかりに近い状態でしたが、結局まともに「これでよし」になるまで4年ほどかかりました。その一方で研究は大進歩です。発見した理論を元に、この曲を歌い直しては、「うーん・・対応が不完全」を繰り返した結果です。「限界など、知らない、意味ない」はこの曲の歌詞にありますが、歌の限界もそうであってほしいものです。