へい!コンピレーションアルバム、参加しないか?

オーディションやなんやに出場するとこんなお話が来ます

 
ある程度歌えるようになると、お声がかかることがあります。
 
 

バンドでもソロの歌でもこんな話がくることがある

 
「コンピレーションアルバムに参加しないか? と言われたのですが……」という相談が生徒からたまに出ます。たいていちょっとウキウキしています。そりゃそうでしょう。歌が認められた! みたいな達成感があるのでしょう。ここで、コンピレーションアルバムに参加するってなに? ということを確認します。
 
 

何人か歌のうまい連中が一曲ずつ歌って10曲ぐらいのアルバムにするみたいです

 
まずコンダクターみたいな人が、参加するメンバーを集めます。人数がそろったらプロ用(?)のレコーディング・スタジオでレコーディングをすることになります。そしてそれらを商業用レベルのmix、mastering、パッケージ化等々をしてCDにするようですね。
そしてインディーズとして販売するのかな? ここは良くわからん。こんな流れのようです。ポイントとしては、しっかりしたレコーディング・スタジオで録音するという体験ができることと、人に聞かせても大丈夫レベルの仕上がりの音が出来上がることです。「これでプロの仲間入り!!」といった感じですかね。そんなことでけっこう体験としてはいいことだと思いますが、問題があります。「費用」です。
 

コンピレーションアルバム作成も仕事です。

 
ということで、コンダクター的な人には「利益」を得ることが目的となります。するとそれぞれの参加者には参加費がかかります。まあいくらかわかりませんが、一組8万円ぐらいと考えると、10曲で80万円。スタジオ代で15万くらい? ミックス代で30万ぐらいですかね? あとデザインとパッケージで15万ぐらいだとすると、手残り20万。手間隙を考えるとまずまずの仕事と言えるかもしれません。
 
全体的なことはおいといて、前の段落で述べた「プロスタジオでの録音体験」および「完成度の高い楽曲」という2点で8万円という金額に価値があるか、ないか? という判断にゆだねられることとなります。
ここで注意点。「コンピレーションに参加したからプロに近づいた!」と思うのはちょっと危険です。変な言い方をすれば「お金を出せば出せる」ものです。プロとは、おそらく「お金を払うのであなたの歌声をレコーディングさせてください」と言われるレベルになるのではないかということです。次に回収です。CDはできました。売れるのかな? 売れないのかな? よくわかりませんが、ほぼ一般に出回ることはないのでしょう。仮に売れても10曲中の1曲ですので、マージンの10分の1になるでしょうね。そんなことなどを考慮にいれると、8万円の投資はまず回収できないと思っていたほうが良いかと思います。これもプロとは異なるところですね。ということで
 
「コンピレーションアルバムに参加した=俺ってすげ!」
 
という思い込みができてしまったとしたら、大変残念な結果といえるのではないかと思います。