ライブ演奏における、演奏者がそろえるべき機材
プロミュージシャン、ギタロー氏の体験談を聞きながら、楽器ごとにどこまでそろえなければならないか? という現実的判断を確認します。
ライブとレコーディングは違うので、ライブに特化します。
ライブに持ち込まなければいけない機材はどこまでか? を考えるうえで、「ベーシストの機材はお手軽」と聞いたのですが、この差がなぜ出るのかを説明したいと思います。
まずはギター。ギタリストが責任を持たなければいけない機材は、
1.楽器、2.エフェクター類、3.アンプ・アンプヘッドまでだそうです。一方でベーシストは、1楽器、2.エフェクター(使う人は)以上。ギタロー氏本人は、会場に持ち込むのはほとんど楽器のみだそうです(楽だから)。なぜこんなことが起こるのかというと、それは会場の音作りに関係があります。
ライブ会場における音作りはとりあえずハウリング防止
ハウリングとは楽器やアンプ等の信号が、ループして振動を増幅していき、ノイズが大きくなるという現象です。そしてこのハウリングが起こりやすい周波数帯は低音域といわれています。ライブ等で大きな音を出す場合、特に閉鎖された空間で音を出すと、音が反響してハウリングのリスクが高まります。これを何とか回避しなければならない、というのがライブの音を作るPAさんという方のお仕事のひとつです。するとハウリングが起こるのを回避するために何をするかというと、「低音域をカット」という作業になります。
さてさてギターの音は、中音域から高音域を構成要素として成り立っていることが多いようです。ですので多少低音をカットされても出したい音は結構再現されます。ところがベースの場合はどうでしょう。低音・中音で構成されて、微妙に調整していい音を作ったところで「ハウりますのでごっそりカットしました^^」みたいなことが多いそうです。で、「どうせ作っても周波数で切られちゃって、音質が変わっちゃうならアンプ直でいいや」という判断になってしまうそうです。
そこで「アンプも据え置きのものでいいや」と。
こういった意味ではライブにおけるベーシストの見せ場は音作りよりも、
「どう聞かせるか?」という技術的なものが主になるということだと思います。
単なるベーシストギタロー氏の手抜き!?という話もありますが。
まあ、「普通の耳にはなかなかベースの音をきちんと聞き分けられる人も少ない」ということもあり、報われない楽器であるといえるかもしれません。