学生時代にギターのFコードでつまずいて、
放り投げたオーナーちゃん、再チャレンジはふとしたことでした。
普通の大学卒業後、物販の会社へ。28歳で群馬に飛ばされ、店長をすることになったのですが、そこでのできごとです。
まずはコミュニケーション、アルバイトの皆さんと仲良くなりましょう。
お店をまとめる立場になったことがある人はわかると思いますが、転勤で新しいお店に配属になった際、まずやるべきことは「アルイバトのみなさんとお近づきになること」です。当時12人ほどいたと思いますが、その中にギターをやっている男子がいました。1カ月ぐらいすると、それぞれのみなさんと仲良くなりますし、ギター男子とも話が弾みます。それで、弾みすぎました。「オーナーちゃん! ギター、教えますよ!!」
おおっと、来てしまいましたよー、最上の善意。二度と触ることはないと思っていたギター。苦手の塊のギター。しかし善意・好意。赴任1ヶ月の大事な時期で断ると、今後の店舗運営にも影響が出る可能性、あり。「う、うん……」ということで教えてもらうことになりました。
とりあえず手ごろなアコースティックギターを買って、お店の休憩室に設置。えっ? 職場に不謹慎? だって店長ですもの。全権持ってますよ。「売上・利益、上げれば文句ないでしょう?」ということで、以来、暇さえあればギターの練習をする日々が始まりました。最初に教えてもらったのはボン・ジョヴィの「wanted dead alive」。来る日も来る日も同じフレーズ。アルバイトのみんなと打ち合わせをしている時も弾き倒し。するとどうでしょう。3ヶ月もすると、みんなとの会話をしながらでも、勝手に指が動くではありませんか!こうなるとなんだか次の曲に進みたくなるものです。で、当時流行っていたのが、山崎マサヨシさんの「one more time one more chance」。「これは弾けたら格好よさそうだ!」と手をつける。これは難しい。左手の薬指がつる!! 「何だこの動きは! 無理じゃねえか!」というのが最初の感想。それでも頑張る。人がいようがいまいが、時間があれば弾きまくる。あ、仕事はちゃんとしてますよ。店舗の利益は1年で2倍になりましたので文句は受け付けません。
そんなこんなでなんとなく弾ける曲が増えてくると欲が出ます。次は「弾き語りがしてみてぇ」。というとこで、山崎マサヨシさん、Mr.children、ゆず等々を、片っ端からやってみます。最初はこれって本当に難しいですね。歌とギターが別々で、同時に動かすことができません。それでも1年ぐらいやっているとそこそこ何とかなってきます。この頃になると、アルバイトメンバーの男子のほとんどがこっそり練習をはじめ、みんなちょっと弾けるようになって来ます。するとアルバイト内で、「バンドでもやるかね?」ということでバイトバンドがスタートしました。というわけで、齢28からでもそこそこ弾けるようになるということ、けっこう楽しいということ、そして、やればできるということが証明されたのではないでしょうか。こうしてギターコンプレックスは解消されました。ただし問題がひとつ。アコギだったので全部指弾き。ピックがもてるようになったのは齢40を超えてからのことになります。この話はまた後日。