映画と音楽2

特攻野郎Aチーム

 

映画ではないが時代を越えたテーマ曲

 
ちょうどアメリカにいた時に(1980年)リアルタイムで見ていたテレビドラマ。
 
 
チャーチャラチャ-ーーーン!!チャチャー、チャーン!

 
内容はというと、アメリカ陸軍コマンド部隊上がりの野郎ども4人が、悪の組織をその特殊能力で成敗する、というベタベタの話だが、ミリオタの琴線にふれる作風でかなり人気があったようです。面白かったし。でそのテーマ曲がタイトルのものです(え? わからない? ググッてみよう)。軍隊上がりという設定なので、ベースはコンバット・マーチなのでしょうかね。 勇ましい感じの、明るい高揚感のあるフレーズです。で、このフレーズ、いまだに違和感なく使用されているのです。
 
 

シンプルで覚えやすい。しかもテーマが明確

 
ところが全体を聞いてみると、マーチっぽい特徴的なフレーズから入って、その後は普通のロックっぽいフレーズへと移行します。で、それらがどのように劇中で使われているかというと、パートごとの使用になっていると感じます。
コンバットマーチは、戦場という非日常、つまり当時のアメリカでは、ベトナムや中東といった「離れた場所」というイメージだったのではないかと思います。一方でドラマの舞台は、アメリカ国内の都市部などです。つまり日常です。この2つの要素を織り交ぜることで、日常に紛れ込んだ非日常をあしらしているのではないでしょうか……、いや、よく知らんが。
なんにせよアメリカは南北戦争以降、国内での戦争がない国です。一般市民にとって、戦場はどこか遠い国の出来事なのでしょう。ま、その代わり銃を使った犯罪・小競り合いは絶えませんが。
 
だいぶ話がそれてしまいましたが、とにかく「シンプルで印象的なテーマ」は、作品のイメージ付けに大きく貢献したのではないかと思います。同時期にやっていた「ナイト・ライダー」という番組の「テッテケテケテケテケテケテケテ」というフレーズも、同種の成功例を感じます。作曲が個性という幻想を追い求めて複雑になっていく中、ちょっと考え直すのも良いかもしれません。
 
オチ、なし。すまん。