(洋楽を聞かせてたときの反応)
「うーん……、
オーナーちゃん達の世代では普通なのだが……」
音楽の聴き方に、ジェネレーションギャップを感じます。
10代20代の人達と音楽の話をしている時、なかなかどうして音楽の聴き方・掘り下げ方にギャップを感じます。これも流行り廃りの中では仕方の無いことだと思うのですが、「どうなんだろうね?」と思ったり……。
ロック・ポップスにおいて、
80年代までは「西洋に追いつけ追い越せ」の
時代だったのではないかと思うのです。
※特に調べて研究したわけではないので、あくまで個人の感想です。
私がバンドを始めた当初は、ハードロック・ヘビーメタルの全盛時代でした。しかるに、その時には、こういう現象が起きています。「ジャパンメタルがどこまで西洋で通用するか?」というようなチャレンジ気質です。
さらに遡って、70年代のブルース・カントリーなどは玄人に受け、流行に乗った人々は、ビートルズやローリングストーンズなどメジャーどころを知ったわけです。
これらを押さえた上で、日本的な音楽要素として、グループサウンズやフォークソングがあったりするのだと思います。
このように、音楽好きなら、洋楽は基本として押さえておくことが必然でした。
ところが表題の通り、若い人に、80年代の名作やオリジナリティあふれる声の方などサンプルとして聞かせると、かなり衝撃を受けることが多いのです。「え、知らないの?」というレベルの有名なものでも知らない人が多いようです。
インターネットで調べればすぐ分かる今の時代、それでもとっかかりがないのでたどり着かないようです。楽曲がばら売りになってしまっていて、アルバムの全体の流れみたいな楽しみ方が薄れているような気もします。
レコードやCDを購入する
、あるいはレンタルすることが当たり前だった時代、
手元に来る解説文は、次の楽曲を探るとっても良い情報源だった。
人にもよりますが、私の場合、ひとつの曲を聞いて気に入ると、そのアーティストの全アルバムを網羅して聞いていました。(今ではそこまでのエネルギーはありません)。そのアーティストがどんな状態の曲調から始まって、売れ出すターニングポイントの楽曲やアルバムがあって、時代背景があって、その後たいてい衰退していく感じを知ることができます。その説明書の中には、プロデューサーの変遷や、メンバーチェンジ、メンバーの交友関係などいろいろ書いてあります。すると派生的に、ギタリストが前にいたバンドの楽曲を聞いてみたり、友情出演しているバンドを聞いてみたり、どこかのバンドのカバー曲をやっていたら、そのバンドもついでに聞いてみたりと、広がりが出てきたものでした。
ところが先ほども書いたとおり、今や楽曲は単体で聴くことが多いのです。そこにルーツを見つける情報や、広がりを見つける情報があったとしても、見落とされがちになってしまいがちな高速情報化の時代なのかもしれません。こんなことを言っている私も、楽曲を調べるとき「ググっちゃえ^^」と来たものです。げに情報の流れの変化は聞き方に大きく影響していると思います。
古い音楽・洋楽を知ることは絶対に必要なことではない。が、知ろうとする姿勢が大事。
日本の音楽は結構独特の方向性をもって進化していると感じます。なんでここまで高音域・高速の曲が増える傾向なのか、また高い声きれいな声、イケ面ボイスのような歌声が好まれるのか、考えるとけっこう面白いです。一方で「個性がない」という感想も、おじちゃんたちには否めません。
一方、世界規模で考えて、「アジアの極東の民族音楽」として捉えると、とっても個性的、という見方もあります。なんにせよ、若い人達の好みを理解し、自身も面白くその楽曲に触れ、年齢を省みず実際に歌ってみることが、私のような立場では大事なのではないかと思います。
おかげでボカロでもアニソンでも何でも歌います、年寄りのくせに。一方で、若い方も「年寄りのたわごと」と一蹴せずに、「こんな曲もあるで」と私が言った時にいったん受け止めることが出来れば、いろいろ広がるのではないかと思います。このように双方に情報交流のとっかかりがあること、これが人対人の接触がなせる業なのかもしれません。