事前に会場はチェックしたほうがよい
30年前の日本の音楽事情は、予想もできないことが満載!
今では出演者が困ることは少なくなっていると思いますが、まだまだシステムが整っていない昔、思いがけないトラブルがけっこう発生したそうです。ベーシストギタロー氏の雑談からいくつか記録しておきます。
スキー場のホテルでの演奏。現場まで車で行けるとは限らない。
冬のスキー場、ホテルでの演奏オファーがあったそうです。
「まあ、車で行くので、それほど厚着は必要ないだろう」と、やや防寒が手抜きのA.H.氏。
「着きました」と車を降りたところがふもとのロッジ。
「えーっと、機材はどうするのしら?」とA.H.氏
「機材は雪上車で運びます」
「じゃあ、それに乗っていけばいいんですね」という質問に対しては、
「いえ、人は乗れません」
「ではどうするんですか?」
「あ、リフトを乗り継いでいってください」
「えっ?」
ギタロー氏、スキー経験なし、スキー場にしては超薄着。でも仕方なし。
四苦八苦してリフトに座り、なんとかステージ到着。
まあ、ステージそのものは問題なく終了したのですが、
「帰りはどうする?」という問題が残ります。
「あ、滑って降りてください」
他のメンバーはシャー!と降りていったそうですが、ギタロー氏は滑れないのでしかたなくトボトボ雪山を徒歩で降りていきましたとさっ。
メンバーと合流できたのは1時間半後だったそうです。悲惨。
「ここでやってください」って、ここですか?
これまたちょっと悲惨なお話。またまたオファーが入ったので現場へGO。
担当者らしき人が、「ここでお願いします」と指示した場所は路上。
まあ、ね。「別に路上はいいですよ」
で。
「電源はどこですか?」という前向きな姿勢のギタロー氏。
「え?電源いるんですか?」と担当者。
「・・・」
さすがに演奏はできなかったそうです。
楽器に電気が必要なことを知らない人がまだまだたくさんいた時代のお話です。