それを言っちゃぁおしめーよ……
曲が良くても、技術があってもダメみたい・・・
そんな残念なお話です。
俺たち、コンテスト第一位、でもグランプリができちゃった
このプロジェクトで一緒にやっているベーシストギタロー氏の、8割笑い話、2割愚痴という会話の中からのお話です。
35年ほど前、大手音楽関連会社のコンテスト。ギアロー氏はまだ10代。
バンドを組んで出たそうで、レベルではかなり高く。
結果は「1位!」
ギタロー氏、「よし、これでプロになれるぜ!」とガッツポーズ。
「続きまして」
「え? 続くの? なんで? 何が??」
「グランプリは」
「グランプリ???」
突然、「グランプリ」ができちゃって、その男性デュオが受賞。
当然、音楽会社の興味は一緒に出ていた男性デュオの方。
契約もそちらへ。
「いったいどうなってるの?」と問いただしたところ
「うーん、うまいはうまいんですよ、曲もいい、でもね……」
「でも何ですか?」
「……」
「いやね、君たち、花がないんだよねぇ……」と言われちゃったそうです。そしてそこからはバンドの方向性を転換。「稼げる音楽」を演奏することとオリジナルを演奏することの両立を目指したとのことです。結局稼げる音楽方面でプロになり、現在に至るということです。
「花」は訓練で何とかなるものなのだろうか
まあここで考えなければいけないのは
「花」って何だろう?
ということです。
私の理解としては、舞台上の存在感といいますか引力といいますか、人の注目を集められる何か、と理解しています。これは声そのものにもあると感じています。いわゆる声質ですね。声質は置いといて、まずは舞台上での惹きつける力。舞台構成や演出、動き、トーク等々で魅力を増すことはできると思います。芸人さんなんかがそうですね。ある程度、戦略・技術・経験で向上するものだと思います。
一方で、そんな積み上げた努力などの一切を無視して最初から備わっている人がいます。めったにいませんが、ほんと稀に存在します。生徒だった女子高生の話をします。3年間在籍していたのですが、まだ始めたばかりの時にステージに立ちました。すると、本当になんとなくですが、全員の目が向いてしまいます。確かにかわいらしい娘さんではありましたが、それだけでは説明できないものです。歌もまだ普通でしたが、やっぱりなんとなく全員聞いてしまいます。これは教えられるようなものではありません。いかんともし難い「才能」というものなのだと思います。しかしそれだけが成功する要因ではない、と信じたいところです。