カラオケマイクの実力

優れもの、ではないと思う。が、どこまで能力があるのか?

 
いやー昔に比べてワイヤレスのバッテリー、切れなくなりましたね。これはすごいことです。おっといけない、そこではない。これだけ歌う人が増えて、千差万別の声の状態に対応できるということ、実はなかなか難しいことです。ここでマイクの性能について考えていきたいと思います。
 

マイクの種類

 
マイクに関しては大きく分けて2つの種類があります。ひとつはダイナミック・マイク。カラオケマイクもこれに属します。これは振動を受け取る部分があり、その振動がそのまま電気信号に変換されます。ざっくりとした説明ですが、とりあえずこれで。
 
このマイクの特徴は、「振動を受け取る部分に受け取る方向がある」ということです。つまり、マイクに対して「この方向から声(音)を入れないと音を受け取れませんよ」ということです。逆に言うと、「まわりにかなり音が鳴っていても、一部の方向からの音だけに反応できる」という長所があると言えます。
 
これに対して、電気信号を使って振動を受け取るコンデンサ・マイクというものがあります。この場合、一般に音を拾う方向性がありません。まわりで鳴った音をすべて拾ってしまうという特性をもってます。細かい音が拾える一方で、余計な音も拾うので、ハウリングを起こしやすく、またその構造上、「ハウリングを起こすと壊れやすい」という弱点を持っています。しかも基本、高額です。
 
カラオケマイクは、ダイナミックマイクだとお話ししました。このダイナミックマイクの性能は、まず、「受けた信号をどれだけクリアに再現できるか?」という点にあります。これは果てしのない技術の追求となりますが、逆に駄目なマイクを考えたほうが早いかもしれません。駄目なマイクは、なぜか音が“もわん”として、言葉や音がなんか不明瞭です。後ろに引っ込んでしまうような感じのする音になってしまうのです。では、カラオケマイクはどうなのか? やっと本題ですね。
 

なぜかきちんと声が聞こえる人と、そうでない人がいる。

 
大きな声を出しているのに、何だが声が聞き取りづらい。一方で、華奢な女の子で声量もないのに、すごく良く声が聞こえる。声が聞き取れる、という現象に思い当たる方は多いと思います。この点に関しては、「個人差が出る」、これが現実なのではないでしょうか。つまりマイク性能をどうこう言う前に、「ちゃんと、声、作れてる?」という点が最初に問題になるようです。ただし、「カラオケマイクがその人の声の良さを最大限引き出せているか?」というとこれは「否」というしかないでしょう。それでも無難には引き出せます。総合評価としては「普通」という感じになると思います。そしてこれはあくまで「声質」を引き出せる性能のお話。歌はそのほかに、「表現力」というものが影響します。「歌い方で何とでもなる」とでも言いましょうか。マイクに頼っていてはいけない、そういうお話です。